1977年富士通株式会社入社。システムエンジニアとして金融機関、通信キャリアの大規模基幹系システム構築のプロジェクトマネジャーとして27年間現場経験を積む。2004年より役員としてシステムインテグレーション事業の経営を担当。2011年よりSE子会社2社の社長として会社経営の経験を積み、2017年に富士通に戻り執行役員常務としてSEのデジタル人材育成や新規事業創出を担当。2018年より日本経済団体連合会、教育・大学革新推進委員会の企画部会長として、Society5.0人材育成分科会長などを務める。2021年4月よりハンブル・マネジメント代表として、企業の社外取締役や顧問としてのコンサルティング、ベンチャー企業の支援などを行なっている。
MSOLは2023年5月25日、「経営の民主化」をテーマにセミナーを開催しました。語り合ったのは、ハンブル・マネジメント代表の宮田一雄氏、慶應義塾大学商学部准教授の岩尾俊兵氏、そして当社代表取締役社長兼CEOの高橋信也の3人。セミナーでは鼎談を前に「日本社会の病理の真因は価値創造経営の喪失にあり」と題する岩尾氏の講演を行いました。
今、日本では経営者層の孤立や従業員層の困窮、イノベーションの不活性化などの深刻な問題が問われていますが、岩尾氏は「すべての問題は対立が形を変えたものであり、その背景にはカネ優位、ヒト劣位の経営」があると指摘。その解決のためには「価値有限の発想から、価値無限の発想への転換がカギ」だと述べています。もともと日本企業の強みは「価値創造の民主化」にあったのであり、これからは価値創造・価値無限思考の経営という発想を思い出し、「社内や家庭、学校で経営教育の民主化を図ることが重要だ」と岩尾氏は主張しています。こうした岩尾氏の主張をもとに、日本式経営の見直しや経営教育の在り方について、経営のプロフェッショナル3人による熱い議論が行われました。
最近は、もっと簡単に経営マインドを身に着けて頂けるように、この本とは別に、「問題解決の三角形」と「七転八起の四角形」という思考フレームワークを開発して、商業的な権利を放棄して公開しました。このフレームワークは、日常生活から会社や職場の問題解決にも使えるもので、経営マインドが身に付けることができます。例えば、悩みはなんらかの対立から生まれるものです。それに対して、自分の目標や幸せがあります。これを「問題解決の三角形」を使って考えてみると、例えば、飲食店経営で問題として「インフレで飲食店経営は厳しい」という悩みがあったとします。それを解決するためには「値段を上げる」ことと「値段を維持する」という対立点があり悩みが生じます。一方、自分の目標は「お店を続けられる」ことにありますが、それには「利益率を維持できる」ことと「常連さんを逃さない」ということが条件となります。このように整理して考えていくと、例えば、「値段を維持したまま広告費を削減し、常連さんにSNS拡散を手伝っていただく」という解決策が出てくるのです。
これ以外にも皆さんはさまざまな問題解決策を思い付くと思います。ほかにも「七転八起の四角形」では、出来事(起こったこと)から、出来事のプラスの側面(良かった部分)、出来事のマイナスの側面(良くない部分)を整理し、出来事への対処(マイナスを取り除く方法)を考えていく方法も紹介しています。いずれも人生や会社をマネジメントしていくうえで、問題解決に対する基本的な知識が身に付くようになっています。
(対談日:2023年5月25日)
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