弊社が協賛しているハワイのThe Lokahi Foundationのサマープログラムが7月17日から始まりました。当プログラムには弊社新卒担当がファシリテータとして参加しています。本日はday5.6の報告をいたしますので、ご覧ください。
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カウアイ島
本日より滞在しているカウアイ島について、少しだけ説明いたします。カウアイ島はハワイの中で一番北に位置する島で、かつてはサトウキビのプランテーションで移民を沢山受け入れていた国です。ヤシの木より高い建物を立てては行けないという法令があり、殆どが平屋の建物です。
観光客が多いオアフ島とは打って変わってのどかな島でした。他にユニークな点としては、町中に野生のニワトリがいます。昔、養鶏場がハリケーンで壊れニワトリが脱走した後、繁殖したのだがそのままにしている現地の人から聞きました。住む人もゆったりとしたテンポで、日本の田舎町を彷彿させるような場所です。
それではday5、day6をお伝えいたします。それぞれのメインイベントは以下です。
day5
1.カウアイ・コミュニティ・カレッジ
2.カヌー製作見学
3.TipTop
day6
1.盆踊り
2.日系1世の墓地
<day5>
1. カウアイ・コミュニティ・カレッジ
本日はカウアイ・コミュニティ・カレッジを訪問し、先生方よりハワイの歴史についてレクチャーを受けました。メインテーマはポリネシア、マイクロネシア、ミクロネシアからの移民がどのように文化や言語を広げていったのか、そしてどのようにカルチャーをミックスさせたのかということです。
ハワイアンカルチャーの面白いと感じたところは、違う文化が言語、食、家族すべてに溶け合うように混在している点です。実際、カウアイ島は日系の方が多いのですが、その家族構成は日本とアメリカ(本国)や日本とハワイ、はたまた日本生まれの中国育ちでアメリカ国籍の方がいらっしゃったり、本当に様々でした。本日このセッションを担当してくれたKyokoさんも日本生まれのハワイ育ちで、現在ハワイアンルネサンスを推進している一人です。国籍とは一体何だろうと考えさせられました。
カウアイ・コミュニティ・カレッジのリンクはこちら
2.カヌー製作と農場見学
ポリネシアから移民が来た際に使っていたと言われるカヌーを復元させている工場と農園を見学しました。ここの農園はコーヒー豆の栽培から、ロースト、販売までを一気通貫で事業展開をしています。豆から販売まで行っている農園は多くないそうです。
農園の果物やチョコレートを試食させていただいた後に、この農園のプロダクトのマーケティングプランを各チーム考え、提案をしました。(いつもは生徒のファシリテートをする引率者チームも、この時は代表の鶴見さんも含め、真剣にマーケティングプランを考えました。)農園のお父さんからは、高校生のプランはアイディアとしては良いがもっとビジネスとして成り立つか、現実的に考えなければならないと厳しいコメントももらいました。
3.TipTop
日系四世の方が経営している創業100年のレストランに行きました。日本食レストランではありますが、テールスープやロコモコなどハワイのローカルフードもありました。ハワイでは日本や中国など新しいカルチャーをミックスさせて新しいものを作ることが得意のようでした。
<ファイシリテーターとしての気づき>
1.文化とプロジェクト
カヌー工場を見学に行った際、印象に残ったことは「とある企業から造船のプロジェクトのサポートの申し出があったとき、断った」という話です。その企業に任せると、1年で終わるプロジェクトだったとのことですが、現地の人々はゆっくりであっても多くの市民が造船に関わって、ひとつのものを作ることに意義があるという意見で、18年かけて船を作ったそうです。
時間の制約があるプロジェクトというものと、文化というある意味永続的に継続をさせなければいけないものに、プロジェクトマネジメントの考えをどのように入れていくべきなのか、矛盾を感じました。特にカウアイ島では、ゆっくり物事が進むのですが、これは日本の田舎町も同じだと思います。しかし、農園のお父さんのようにビジネスとして成り立たせることが当たり前ですが、必要です。新卒でまちづくりプロジェクトをやってみたい人は多いですが、お互いの時間間隔を理解することとビジネスのプロとして指揮を取っていく、この2軸が大事な要素なのではないかと思いました。
<day6>
1.盆踊り
ハナぺぺという町にあるお寺にいきました。ここでは年に一回、カウアイ島の殆どの人が集まり盆踊りが開催されます。生徒達は午前中、この盆踊りの準備として、矢倉の組み立てや、提灯の飾り付けを手伝いました。
盆踊り本番には、Celebration our roots というテーマのもと、多くの日系移民の方が集まっていました。まるで日本の昭和のような雰囲気で日本よりも日本らしかったです。個人的に印象深かったのは、2世か3世のお婆様に浴衣を褒められたことです。日本語を話す子供達を見て、自分の母親を思い出していただけたのではないでしょうか。
2.日系1世の墓地
シュガープランテーション開拓のためハワイを訪れ、そのまま日本に帰れなかった移民の墓地を訪れました。お墓は全て日本の方角を向いていて、それぞれの墓石に自分の故郷の地名が刻印されていました。自分のルーツは何か。生徒それぞれが日本に帰って調べてみようという気持ちになりました。
<ファシリテーターとしての気づき>
1週間子供達の成長をみて、人の持つエネルギーについて考えました。
このプログラムに来ている生徒の多くが、家庭や経済的な面でコンプレックスを持っています。一方で、ジャーナリストになりたい、警官になりたい、看護師になりたい、という夢があるため、コンプレックスに打ち勝とうとする強い意志が生まれ、貪欲に情報を得ようとする動きになっていると思いました。
例えば、盆踊りや墓、農園、造船所、歴史の勉強など普通の高校生ならば、退屈したり、素通りするかもしれないプログラムでも、彼らは積極的に現地の人と関わろうとしたり、何か持って帰ろうとしています。英語が話せない子ももちろん、なんとか質問しようとします。また、悲しいこと、辛いことの実体験が多いからかもしれませんが、ありとあらゆる事象を自分の経験とリンクさせて、深く考えているように感じました。この子達は将来絶対成功すると思います。人事として、人を見る視点のヒントになったような気がします。
LOKAHI Summerprogram(Hawaii)day5・6
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