MSOLに転職したのは2019年、46歳のとき。
植田「管理職を続けることに疑問を感じ『現場に戻りたい』という一心から転職した先が、社内の問題に真摯に向き合っているとは言えない企業だったんです。私自身が直接影響を受けたわけではないのですが、組織の中の問題と、それに対して会社を含めどのように向き合うべきなのかを考えさせられたことは大きな教訓になりました。この経験から、会社が問題に対してきちんと取り組む姿勢のある企業で働きたいと考え、かつ"マネジメントの専門家"としてやりたいことができ、自分のスキルや経験をいかせる会社を探して、出会ったのがMSOLでした」
会社選びで重視する点は、規模や業績、条件など、人によりさまざま。植田にとって決め手となったのは、「肌が合うかもしれない」という"相性の良さ"だったといいます。
植田「選考時、から『現場の方とお話をさせていただきたい』と面談を希望しました。当日、会議室に通されたとき、無意識なのですが、ジャケットを脱ぎ、ネクタイとシャツの第一ボタンを外していたんです。帰りがけに気づいて、ドキッとしました(笑)。今までそんなことをした経験はありませんから。でも、『MSOLをホームのように感じ、入社したいと思っている証だ』と確信しました。勝手に、"受け入れられている感"を覚えたんです」
転職活動をする上で"どのような会社で働きたいのか?"と考え続け「理想の会社像」が具体化されてきました。それは一言で言うと「家族」です。何も飾らずに素のままでいられる、外から帰ると落ち着ける、会社がそんな存在になれたらいいと。どんな会社でも多かれ少なかれ「入る前とイメージが違う」という理由で退職される方がいて、それが本当にもったいないと思っていて、家族みたいな会社ならそれを減らすことができるんじゃないかと、理想像は「家族みたいな会社」、達成目標は「社員が辞めない会社」と考えています。
肌感覚で「家族と近い関わりを持ちたい」と思え、自分が最も得意とするマネジメントを活かし目標達成できるMSOLを選びました。
入社して2年が経とうとしている今、PMOコンサルタントとして2つのクライアント先で、複数のプロジェクトを支援。「MSOLでやりたいことは実現できている」と語る植田。また、社内のコミュニケーションにも積極的で、さまざまな年齢やコミュニティの社員とつながり、信頼される「現場のアニキ」を目指しているといいます。
植田「『人が辞めない会社』にしたいんです。いろんな事情があるので、退職者をゼロにするのはもちろん無理ですが、辞めるきっかけとなるような小さなほころびを拾える『現場のアニキ』的な存在がいれば、辞めなくて済む人もいるはず。そのためには、会社の制度も変える必要もあると考えています」
「人が辞めない会社を作りたい」「制度を変える」と言ってのける、そのパワーやモチベーションはどこから来るのでしょう。
植田「単に性格がわがままなだけです。以前の職場で懇意にしてくださったお客様から、大きなプロジェクトが終わった後、私への評価として「わがまま」で「仕事をサボる」と2つの言葉をいただきました。どう考えても悪口なんですけど、褒め言葉だとおっしゃるんです。
理由を伺うと、「わがまま」は、プロジェクトにおいて必要だと思ったことは絶対通すから、そのために最適な最短ルートを選んで実行することを「仕事をサボる」と、オーバーに表現されたとのことでした。また、みんなが1つの問題に集中しているとき、私はそのせいでブラインドになっている他の問題にあえて取りかかっていることも多く、『やばいところに常にいる訳ではない』という印象から、サボっていると見られることもあるのかもしれません。
それに、私は圧倒的に前向きなんです。自分のわがままでこうしたい、こうすべきと思ったことを実現しようとすると、当然壁が立ちはだかります。でも、そうした困難があると、むしろ燃えてくるんです。『お前、サイヤ人の血が流れてるだろ』と言われたこともあります。」
マネジメントの仕事をおこなう人間にとって、自身の仕事に意識的な「自律的キャリア」の形成は必要不可欠。植田が自律的キャリアを形成するきっかけは、大学卒業時にまでさかのぼります。
植田「『卒業後に働きたくない』という思いが強くて授業をサボっていたら、案の定留年しました。中学・高校まではちゃんと勉強していたので、これが初めての挫折。周りの仲間から1年遅れて社会に出ましたが、『必ずエースになる』と根拠のない自信があり、システム開発会社に入社して新卒1年目から「勝手にエースの自覚」を持って働きました。その後、ITコンサルタントに転職して大手のクライアントの方々と接すると、仕事にとって大事なのは、学歴ではなく生き方なんだと実感しましたね」
自身のキャリアを振り返り、「大小様々な失敗を数えきれないほど繰り返し、それを糧にしてきた」と語る植田。失敗を会社や時代のせいにせず、自分のものとして受け止める姿勢が成長につながったといいます。
植田「失敗したとき、言い訳ではなく理由を考える。これを10代のときから徹底して行ってきました。言い訳を話すとき、主語は他人や会社、環境といった自分以外の存在になりますが、理由を話すときは、主語は自分。失敗したら、『私は』なぜそうしたのかを考えると、おのずと原因がわかり、次に取るべき行動が見えてきます。大学を留年したとき、教授がなぜ単位をつけなかったのかではなく、自分はどういう態度で授業に臨んでいたのかを考え、その失敗を反省して次につなげたんです」
30代後半にもなると子育てや親の介護といった転機を迎え、今の会社に居続けるか、それとも転職するかといったキャリアに関する悩みが訪れます。そんな人たちにアドバイスを送るとしたら、「脳から血が出るまで考えよ」と一言。
植田「過激な表現ですが、私は転職するときそれくらい真剣に『なぜ自分はマネジメントという仕事を続けるのか』を考えました。上長に好かれたら評価が上がるという不平等な時代は終わり、今は多角的な視点から定量的に評価される時代。ボーッとしていたら、そのままボーッとした評価になってしまう。この先キャリアアップしたいという人には、『一難去ってまた一難』などと、世の中は優しくなく、30代後半からそれ以降の人生には困難が行列を作って押し寄せてきます。これを乗り越え、更にキャリアアップしようと言うんだから、並大抵の努力で十分なわけはないんです。それまでよく考えずに仕事してきて、30代後半での急なマインドチェンジは苦痛を伴うかもしれない。でもその苦痛を経て、ようやくプロとしての仕事ができるのだと思います。
これは、『何をすればいいかを自分で考え、自ら仕事を拾いにいけ』というMSOL入社後の研修内容にも通じること。MSOLのお客様が私たちに望むことといったら、問題の解決や気づいていない問題点への指摘。もっというなら、プロジェクトの成功しか願っていない。そのために必要なことを徹底的に考えたら、あとはそれをすべて実行するだけなんです」
「実は大学時代の『働きたくない』という気持ちは今もある」という植田。ただ、それは会社の歯車となって受け身で仕事をしたくないだけであり、「人のために動く」ことならいくらでも力を注げるといいます。
植田「仕事をしていると、大変なことや嫌なことがたくさんありますよね。それでもなぜやるのかといったら、最後に『ありがとう』と言ってもらえるから。私は、せっかく働くのなら、自分が生きるためだけでなく、人の役に立つことがしたい。『誰かのためになる』と感じられない仕事であれば、やらないと思います」
マネジメントの専門家として人のためになる仕事をする、MSOLでの植田の挑戦はこれからも続きます。
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